2008年07月28日

スーパーの特売争い(3)

 2人の子ども(兄妹)を連れた母親だ。
 小学校高学年と思われる男の子が、残り少ないギョーザの
 6個入りパック(50%引)にすばやくとびかかり、
 2つをせしめる。どうも母親の命令のようで、
 母親はうしろから目を光らせている。

 ところが、首尾よく2つのパックを母の持つカゴに
 入れたはいいものの、数メートルほど歩きかけたところで、
 なにやら男の子が口をとがらせて、ゴネだした。
「ね~! ね~! 野菜餃子じゃなくて、
 肉餃子のほうがいいもん! 肉餃子あったじゃ~ん!」
「いいでしょ、野菜餃子で!」
 母親は自分が野菜餃子を食べたいようだ。

「え~やだ~! 肉餃子のほうがいい! 肉餃子のほうがいい!」
「もううるさいわね! じゃあ早く換えてきなさいよ!」
 いらだつ母親。妹はだまって見ている。
 男の子はふたたび走って餃子のところにもどると、
 残り少ない肉餃子と野菜餃子をすばやく交換して、
 ようやく安堵の表情を浮かべる。

 その横では若い母親が、自分が特売に夢中になっているあいだに
 どこかへいってしまった自分の娘を、ほかの客の手前など
 おかまいなしに、大声で呼ぶ。
「エリカ! エリカー! エリカー! もうエリカー!」
 無人島で崖のむこう側にいってしまった、ペットのサルを呼ぶかのように。

 そのときだ。鉄工所の作業服を着たままの
 70歳前後のおじいちゃんが特売コーナーに現れた。

                 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (0)

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