2008年02月28日

私は認めたくない女(5)

「ほら、松のチクチクする葉っぱ、あるじゃん?
 オレ、あの葉っぱが左目の黒眼に突き刺さったことがあるよ」
「うえ~、うえ~!」
 Aちゃんは顔をしかめて、吐きそうだ。
 N氏も他人の話だったっら、聞きたくない。
「実家の松の木にのぼって、手入れをしてたときなんだけどね、
 横をくるっと振り向いたら、ちょうと松の葉がこっちを向いてて、
 あの針みたいな葉っぱが左眼にグサッ!」
「うえ~、うえ~!」
 カエル顔のAちゃんはなぜか片膝を浮かせて、
 おばあちゃんのように背中を丸めている。

「それで、痛え! と思って顔を横に向けたら、
 針みたいなのが刺さったまま、スーッとナイフみたいに
 横に移動して黒眼が切れちゃった!」
「うえ~、うえ~!」
「だいじょうぶ? 具合悪そうだけど」
「そんな話するからでしょ! で、どうしたの、そのあと!」
 やっぱり聞きたいくせに。

「一瞬は痛かったんだけど、目薬つけてそのままにしてたら
 なんでもないから、ほおっておいたんだよ。そうしたら
 次の日になったら目が重くなってきて、
 なんだか視界もぼんやりするから救急病院で診てもらったんだ。
 ふつうの病院やってなかったから、お盆かなんかのときだね」
「どうなってたの?」
「化膿してるっていわれてさ、たしか目薬をつけて
 抗生物質を飲んだような気がするなあ。
 でもさ、先生にいわれたよ、『あんた、今が夏でよかったね。
 冬の松は枯れて先に毒をもってるからね、
 その毒は失明するくらい強いんだよ』だって」
「うえ~、うえ~!」

「だいじょうぶ? なに想像してるの?」
「そんな話するからでしょ!うえ~、うえ~!
 私さ、そういうの、ほんとダメなのよ!
 自分では認めたくないけど! 認めたくないんだけど!
 想像しちゃうのよ~! うえ~、うえ~! うえ~、うえ~!」
 Aちゃんの鳥肌はしばらくおさまらなかったようだ。
 Aちゃん、ごめん。

                 The End
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (2)

コメント

眼は長~い友達です。
あー髪。もです。

自分では認めたくないんだけど(笑)
先端恐怖症気味なので指の力が抜けますた(>_ 「振り向きざまって」無防備な状態が多いですよね。

投稿者 yue : 2008年02月28日 11:06

ユエさんへ

コメントありがとうございます。
怖い話ですみません。
先端恐怖症気味なんですか、ああ、そういえば
僕もペン先とか遠くから向けられただけで
ちょっと気持ち悪いですね~
ネコの爪も怖いです。犬の歯も怖いです。
あ、鍾乳洞でたれてるヤツも落ちそうで怖いです。

コメントが入らないことを教えていただいて、
ありがとうございました。ごめんなさい!
このところ、外国からの迷惑コメントがたくさん入るので、
セキュリティの設定をいじったので(わからないくせに)、
コメントがすべて保留状態になっていました。
保留のまま、コメントが消されてしまった方が
いらしたでしょうか。外出が多くて
ブログを確認できなかったので、ちょっと心配です。
もしそうだったら、ほんとにすみません!

投稿者 ナポリタカオ : 2008年02月29日 10:41