2008年02月27日
私は認めたくない女(4)
Aちゃんの話は止まらない。
「眼科で調べてもらったら、まぶたのところに
傷ができてたらしくて、バイ菌がまたってるんだって!
で、まぶたをちょっと切って、そのかたまりを出したの!
それからがたいへんなの! 視力が落ちてきたのよ!」
「えっ、そんなことあるの?」
「私はそうなの! 自分では認めたくないけど!
認めたくないんだけど! 視力が落ちてきたの!
自分ではさ、視力だけは昔から両目とも2.0だったの、
それがこの仕事やってたら、1.5になって、
それから1.0にまで落ちちゃったのよ!」
「1.0じゃいいじゃん」
「ダメ! 私のなかではそんなに視力の落ちた自分は
イヤなの! 絶対、認めたくないの! 視力だけは
だれよりも自信があったの! それなのに、この私の視力がぁ!」
いまいましそうに唇をかむAちゃん。
Aちゃんの話を聞いていたら、N氏は昔の事件を思い出した。
「あ、そうそう、オレも目をケガしたことがあったな」
「えっ、やだやだ、なにそれ?」
おびえた表情で近くのロッカーにしがみつくAちゃん。
そうなると、ニヤニヤして話したくなるN氏。
「やめて! こわい、やめて、こわい!」
Aちゃんはそういうが、悲しいことに耳だけは
しっかりとこっちを向いている。
~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 10:42