2007年12月17日
続・環8沿いのマック(2)
いきなりヘビーなテーマだ。
ということは、相手の男性は旦那ではなく、兄弟か。
「あれからうまくいかなくなったんでしょ、マーちゃんは?」
渋い顔でうなずく男性。
マーちゃんとはいったいだれなのか。すごく気になる。
「みんな勝手なのよ。あの施設に行くのはすごくたいへんなことなのよ!
9時に着くにはうちを7時に出なけりゃならないの!
みんな自分の都合のいいようになんでも言ってさ、
おかしいじゃない! 結局、私ばっかりでしょ?
マーちゃんだって、時間をやりくりすればなんとかなるはずなのに!」
どうもマーちゃんが悪いらしい。
マーちゃんは実の親の介護に熱心ではないというのか。
「なんでこうなんだろうね、息子も娘も」
実の兄妹全部に不服があるらしい彼女。
うなずくだけの男性。彼女に頭も上がらないが、
ほかの兄妹を悪く言うことはできない。中立的立場の苦しさが滲む。
早くほかの話題に変えてくれ。男性の心の声が聞こえる。
しばらくして、彼女は男性にいくら言ったところで、
なにも変わらないと思いだし、ため息をついた。
「それにしてもマーちゃんとこさ、
お母さんはきれいなのに、娘は似てないわね」
最後は冷たく、毒舌でとどめを刺す。女は怖い。
「フフフ」
男性もここは半ば同意する。
そばを店員が掃除で通りかかった。すると、知り合いだったのか、
彼女は「あ!」と、明るい声になって、声をはりあげた。
「こんにちは、Aさん! しばらく!」
「ああ、こんにちは、Bさん! 今日は?」
「今日、お葬式だったの! 高速に乗っちゃうと、
コーヒー飲むところがないから、ここで飲んでるの!
お宅のご主人によくお会いしますよ、フフフ!」
オバサンの変わり身の早さが、
なんだか寂しさをつのらせる土曜日のマック、18:00.
帰省ラッシュは今日がピークだと、昼間のニュースが伝えていた。
帰る家がない人もいる。マーちゃん、しっかりしろ。
The End
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