2007年11月16日

流れゆく肉パック

彼らはこの妙技を新入りの私に見せつけたいのか。
しかし、私の心には、夜中にこんなところで金をかけてどうするんだ、
という冷ややかな気持ち沸き起こらなかった。だが、これもおつきあいだ。
ときに感嘆するような愛想笑いをしながら、仕事を続けた。

 ゲームは終わり、野沢が負けた。
「まったくよお、かなうわけねえじゃんかあ……」
 彼はぼやいた。
「じゃ、野沢さん、みんなのジュースよろしく!」
 日焼け男が笑って言った。作業で中敷が入れられた
 白い食品トレーはすたたび袋詰めにされ、棚にストックとして置かれた。

続いて、スモークされた肉のパックにシールを貼る作業がはじまった。
流れ作業である。ひとりがコンピュータにデータを打ち込んで
ボタンを押すと、機械から風圧でシールがスポッと吐き出され、
パックに自動的に貼りつく。が、シールの位置がはがれやすい
不安定な場所だったり、ちゃんと貼れていないことがあるので
ひとりがそこに待機して、シールの調節をするのだ。

これなら、人間が直接貼ってもたいして変わらないだろうと
感じたが、やはりこちらのほうがいくらか早いようだ。
数が多ければ、たしかに効率はいいだろう。

シールが貼られたパックは、コンベアーで流される。
コンベアーの最後に待機している人間は、どの店舗にこの食品を
何個送るのか、そのシールの情報を読み取り、手早く箱に入れる。
この作業がつまると、ほかの男たちは待っていなければならない。

私の仕事はこの箱に入れる最後の男から箱を受け取り、
べつのコンベアーに乗せることと、箱に入れる男の前に
いつも空箱の補充をしておくことだった。ちなみにコンベアーに
乗った箱は、べつの男が店舗ごとの台車に載せていくのである。

大企業のAスーパーの大量の食品に比べると、こちらはやはり
規模が小さかった。それだけに作業は短時間で手早くおこない、
短い休憩をはさむことが多かった。

       日雇い3日目21:00-22:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00