2007年11月15日

第7章 異邦人 ~賭け仕事

 彼よりもいくらか若そうな男は「えー?!」と反対し、
 長身の男は「やるの? じゃハンデね」とニヤニヤした。
「いいっすよ、じゃあ俺、これだけやりますから」
 日焼け男は自信たっぷりにほかの男たちの
 2倍の量のパックを自分の前においた。

彼がいちばんこの仕事のキャリアが長いのだろう。
仕事に金をかける彼らに、私は一瞬、途方もない嫌悪感を感じた。
だが、表情に出たらまずいと思い直し、おだやかな顔をつくった。

「野沢さんもですよ。負けた人はジュースをみんなにおごる」
 日焼け男は野沢にももちかけた。
「やだよそんなの、俺おそいもん」
 野沢は露骨にいやだと言ったが、「いいじゃないですか」と
 若い男たちに言いくるめられ、結局、参加した。

日焼け男はお人好しの野沢が断らないことも、
負けることも最初からわかっていて企んだように見えた。
この男は野沢より年下なのに、強気な態度をとっているのは
経験が彼より長いのだろうか。それともバカにしているのか。

彼らは私には声をかけなかった。誘われたとしても
やらなかったが、仲間はずれにされている違和感はある。
私はこの場合、どうすればいいのだろう。
ボケッとゲームを観戦していても、仕事をさぼることになるわけだし、
しかたがないので、自分のペースで作業を続けることにした。

「じゃいくよ、はい、スタート!」
 男たちはいっせいにパックに中敷を入れるゲームをはじめた。
 言い出しただけあって、日焼け男は驚異的に作業が早い。
 無理矢理、参加させられた野沢は、日焼け男はもちろん、
 明らかに若い男たちの作業スピードにはかなわなかった。

       日雇い3日目20:30-21:00 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00