2007年11月12日
ビニール詰めの鶏肉
やがて20代なかばといった感じの若い男たちが3人入ってきた。
私はあわてて挨拶をした。彼らも愛想よく挨拶を返してくれた。
印象はほかのどこよりもよかった。だが、C運送の責任者が野沢らしい
ということ以外、私には彼らがホイホイサービスの人間なのか、
C運送なのか、、Bスーパーの従業員なのか、さっぱりわからない。
おそらくその説明もなされずに、この仕事も終えるのだろう。
いずれにしても、彼らは3人とも顔見知りで、
野沢とも親しく、仕事にもいくらか慣れている様子だ。
私だけが異質な空気を放っている新入りだった。
私は休憩室へ行き、わずかな残り時間のうちに、持参した
ホルモン炒めとおにぎりをほおばった。仕事の状況も休憩時間も
さっぱりわからない以上、食事は早めにしておくに限る。
フロアはほとんどがテーブル席だったが、隅の一角には
畳の間があり、テレビがつけっぱなしになっていた。
巨人阪神戦が始まっている横では、2人の
ドライバーらしい男が、疲労困憊で熟睡している。
やがて、野沢が入ってきた。
「これから作業服のつけかたを教えますんで、こっちへ来てもらえます?」
私は冷蔵庫の隅に連れていかれ、作業服の付けかたを教わった。
緊張感はあるが、こんなものを身に着けるのは
初めての体験なので、子どものようにうきうきしてくる。
鏡がないので自分の姿は見えないが、野沢の姿はオ○ム事件の前に
信者が総本部付近でウロウロしていた姿とそっくりである。
あちらがこのイメージを怖いものにかえてしまったのかもしれないが。
冷蔵庫のわきには2メートルくらいの幅の台車があり、
透明なビニール袋に鶏肉が入っていた。白い鳥皮と赤い肉が
交互に入り組んでいる。人間2人分を切り刻んだかのような量と、
静かに横たわる死肉の圧力にぞっとした。
日雇い3日目19:55-20:05 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00