2007年11月09日
放浪
ようやくXXXで降りたとき、そとは暗くなっていた。
ホイホイの仕事にしては、勤務時間が短い割にまあまあの
給料だということは、勤務地までの自腹のバス代に加えて、
これだけ時間がかかるせいだからだろう。
これではだれだって、やりたくないはずだ。
それから電話ボックスを探しまわったが、見つからなかった。
考えてみればここは車のための道路であり、人が通るような
場所ではない。電話ボックスなど必要ないのだ。
あらかじめ聞いておけばよかったが、あのときは考えもしなかった。
周囲を探すうちに、『Bスーパー』と書かれた扉を見つけた。
中から鍵がかかっているらしく、開かない。
正面玄関にもまわったが、鍵がしまっている。
外には人の気配もしない。連絡がつかないのでは、
どこから入っていいかもわからない。
こんなことさえ、大杉は説明ひとつしなかった。
遠くに目をやると、トラックが止まっている駐車場の端に
自動販売機が見えた。急いでかけよってみると、隅に
公衆電話があった。孤島でようやく通信手段を見つけた。
急いで事務所に電話を入れた。7時45分になっていた。
「名堀です」
冷静な大杉の声がむこうから響く。
「ああお疲れさまです、今どこ?」
私は怒りをおさえて言った。
「電話がつながらなかったんで直接来ました。
今はもうバス停を降りたとこです」
「ああ、そう。じゃね、入口は入れた?」
「いいえ、正面もまわりましたけどだめです。
どうして説明しておいてくれないんですか?」
「じゃあね、トラックの搬入口のほうにぐるっと
まわってみて。たぶん入れる扉があるから」
この男にはまったくとりあう気がないのだ。
日雇い3日目18:50-19:50 ~ To be continued
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