2007年11月02日
冷蔵人間たち
責任者はパーマをかけた30前後の男だった。
ホイホイサービスの社名が入った、防寒用の青いつなぎを着ている。
いつもここで働いているのだろうか。青白い顔でマスクをしていた。
彼は十数人の日雇いたちを、てきぱきと数人単位の
グループに分けて、持ち場につかせた。
20~30くらいまでの男には『彼』とよびかけ、
30代後半の私くらいの年齢から上の人間には
『あなた』とよびかけて区別していた。ホイホイサービスでは
珍しく、まともな気づかいのできる人間だった。
私は食品の小分け作業に加わった。商品がパックでひとまとめ、
あるいは箱単位で台車に積まれている。それらを商品につけられた
番号どおりに、各店舗の番号のついた台車に分けていく作業である。
缶コーヒー、真空パックのジュース、乳酸菌飲料、ヨーグルト、海苔などだ。
牛乳、紙パックのジュース、弁当、サンドイッチのある場所は
いたみやすいせいか、もっと強冷の冷蔵庫になっていた。
ここに長くいると、体が芯から冷えてきた。
床の冷気が、靴の底からじんわりと体を冷やしていく。
靴下も真冬の厚手のものが必要だ。
たしかに仕事はきつくないが、ここは冷気との戦いだ。
男たちは真冬の服装で黙々と作業を続けている。
青いつなぎの責任者は、ときおり、マスクの下で咳をしていた。
長くこの仕事を続けていて、体をこわさないのだろうか。
彼はどんなふうに休日を過ごすのだろう。
休憩時間は午前12時から1時間である。
ハードな仕事でないせいか、A運送のように泥のように
仮眠をとる男はごく少数で、ほとんどの者がテレビをながめる余裕があった。
談笑する者もおり、A運送とは雰囲気がまるでちがう。
青いつなぎの責任者が、また咳をしていた。
親しいのか、年下らしい日雇いが声をかけている。
「だいじょうぶですか?」
「うん。ここで仕事してるとさあ、風邪が治らないんだよね」
彼はマスクをしながら苦笑した。
日雇い2日目19:55-00:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00