2007年10月12日

夜明けは永遠に来ない

休憩室にもどったが、知り合ったばかりの田中は
まだ働いているらしく、休憩室にはいなかった。
重い疲労はあったが、まだこのときは体力も残っていたので、
私はもってきた新聞を休憩室の隅で読んだ。

やがて坂田が置いたデジタル時計のアラームが鳴った。
彼は無表情ですくっと立ちあがった。不機嫌なのがよくわかる。
私は読み終えた新聞を置いて、いっしょに立ちあがった。
あとからこの部屋にきた新入りのだれかが、
手持ち無沙汰のあまり、読むかもしれない。
『将棋指し』は居眠りもせず、
私たちの動きを見ていてあとからついてきた。

再開しても、次から次に荷物はひっきりなしに届く。
休みなく身体を動かすが、つぎつぎとフォークリフトが運んでくる。
ここは宇宙全体の荷物の捨て場所で、永遠に荷物が
噴き出しているのではないかと思えた。

 さすがに疲労が積み重なって、新入りたちもくたびれはじめた。
 坂田は私たちの身体の動きがルーズになると、ムキになった。
「おらおら、おにいさんたち!
 さっさとかたづけねえと仕事終わんねえぞ!」
 そして、手本を示すかのように仕分けを急ぎ、台車を押した。

 『将棋指し』は仕事でわからないことがあると、
 何度も私に聞くので私は言った。
「わからないことはなるべく上の人に聞いてね。俺もわからないこと
 ばっかりだし、間違って教えたら困るから。そうならないようにね」
「はい」
 『将棋指し』は答え、それからは自分で考えるようになったが、
 坂田やベテランの男たちに聞くことはしなかった。

0時前に一度、汗でTシャツがびしょぬれになったものが、
休憩時間に一度かわいて、またこの時間にびしょびしょになった。
ほんとうに自分のものなのかと思うほど、顎から汗が
だらだらと滝のように流れていく。朝はまだなのか。

        日雇い1日目00:50-01:30 ~ To be continued
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人気blogランキングへ
 ↑ ↑ ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。


投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (2)

コメント

ども〜。remayです〜。


今まだ、たこ部屋の1/3ぐらいまで読ませてもらってます。
なかなか最新の記事までたどり着かないのでコメントがつけられないんですが、すみません。

ナポリさんのサイトに
リンクさせていただきました。

よろしく〜。

投稿者 remay : 2007年10月12日 12:19

remayさん、初コメントありがとうございます。
ちょうどこちらもremayさんのリンクを張っていたところです。
前のものを読んでいただくのはありがたいです。
時間のあるときにゆっくり読んでくださいね~
このシリーズもあとひと月くらいで終了ですから、
前のを読んでいただいているうちに終わるかもしれませんね(笑)
そのあとはニュースネタでもやろうかなあ。
今後ともよろしくお願いしますね~

投稿者 ナポリタカオ : 2007年10月12日 12:32

コメントを送ってください




ログイン情報を記憶しますか?

(スタイル用のHTMLタグが使えます)