2007年09月24日

第2章 巨大倉庫 ~初めての者が送られる現場

「A運送とB運送は、初めて契約した人が必ず送られる現場なんです。
 みんな、なにも知らないから。でもいちばんきついのは
 B運送ですから、おふたりはラッキーだったかもしれませんよ」
「そんなにきついんですか?」
「ええ、僕の聞いた話じゃ、作業を上のガラス張りの部屋で
 監視してるB運送の社員がいて、『てめえら、なにやってんだ、
 バカ野郎!』って、ひと晩中怒鳴りまくられるらしいですよ」

 やっと車が到着した。今度は制服を着た若い男が運転していた。
 車に乗りこむとさっそく、彼は言った。
「すみません、これからちょっと寄り道してから、A運送さんに向かいます」
 彼は私たちが最初に待ち合わせた場所に向かった。
 そこには3人の男が待っていた。彼らに声をかけた。
「A運送さんの夜勤の方ですよね?」
 2人は「はい」と答えながら、車に乗ってきた。
 私たちは彼らといっしょに同じ現場へ向かうのだろう。
 が、もうひとりが言った。
「自分は面接です」
「えっ?」

運転手はあわてて会社に連絡をとり、結局、また会社にもどる
はめになった。段取りが悪いというか、なんでもいっぺんに
やろうとして、かえって効率を悪くしているのだ。
時間は着々と勤務時間の6時に近づいてきた。
私はこの日、昼飯を食いそびれていた。
はやく飯を食っておかなければ体がもたないだろう。

 運転中に携帯電話が鳴り、若い運転手は電話に出た。
「はい、今むかってます。え? なんですか?・・・・・・ はい、はい、
 あ、電話しました。清水はだめです、腰がやられたらしくて。
 三谷ですか、あれはもう連絡がつきません。水谷はいつも
 留守電になってまして」
 日雇いの男たちの手配がうまくいかないようだ。
 それだけ人気のない仕事ということだ。私の名前もこんなふうに
 呼び捨てでやりとりされるのだろう。

        日雇い1日目17:20-17:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00 | コメント (2)

コメント

またまた面白いんじゃない!!

投稿者 ゆり : 2007年09月24日 16:31

ゆりさんへ

コメントありがとうございます。
毎回、リアルな会話と描写が登場します。
夜の倉庫で働く男たちの世界を
暑くるしく、むさくるしく、ご堪能ください。

投稿者 ナポリタカオ : 2007年09月25日 09:33