2007年09月13日

第1章 面接 ~蘇る思い

2000年を迎えたこの年、私は37歳になった。
しかし、この年になってアルバイトをするなどとは、
ついひと月まえには考えてもいなかった。
最後のアルバイトは23歳、放送作家の下積み時代に
ファミレスの調理場に勤めたが1日で辞めた。あれ以来だ。

私は22歳で放送作家に弟子入りし、20代後半に辞めて
広告制作会社のサラリーマン、それからフリーのコピーライターとなった。
それからは広告代理店やデザイン事務所から仕事を受けていたが、
この年を境に、既存のクライアントからの仕事が半減してしまった。
この頃より広告業界は斜陽を迎え、デザイン事務所の倒産、
フリーのコピーライター、デザイナーの失業も珍しくなくなった。

 レベルを下げれば仕事はあるが、それはやりたくなかった。
 レベルを下げた仕事をすれば、力も落ちる。
「これからどうするの?」
 のちに離婚することになる妻に問われて、私も動転した。
 これまでのやりかたでは生き残れない。しかし、どうやっていこうか。

巷では自費出版がブームになっていたこともあり、
出版社へ本格的に営業を行ってみることにした。
出版社によってはコピーライター出身の人間をいやがるところもある。
編集系の仕事ならいいが、1冊の本を書かせるとなると、
広告だけをやってきたライターには1冊の本を構成するだけの
力がない者も多い。私は放送作家時代に、番組は地味だったが、
企画書、構成台本、短長編シナリオなど、あらゆる仕事を通して、
物語づくりの構成を学んでいたので、ある程度の自信はあった。

いくつかの出版社に営業にまわり、編集者に名刺とプロフィールを
渡してまわった。どこもにこやかに応対してくれるが、
結果はわからない。仕事が発生するかどうかは時の運もある。
ともかく、やるべき営業はやったので、しばらく連絡を待つことにした。

不安はとりあえず消えた。が、今、すぐにやることがない。
本を読む気分でもなければ、ぼうっと旅などする気分でもない。
今しかできないことをやってみたい、と思った。しばらくすると、
19歳のときに飯場に飛び込んだ、あの感覚が蘇ってきた。
折りしも、季節は春。体を動かすには、いい季節だった。

        日雇い1日目08:00-10:30 ~ To be continued
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投稿者 Napori Takao : 07:00