2007年02月22日

おじいさんの観察(3)

じいさんは中をのぞき込んで、探しものをしているようだ。
まちがって、なにかを落としたのか。
いや、たしか来たばかりだ。

じいさんは首を突っ込んだまま、尻をあげて動かない。
まるで穴に首を突っ込んで樹液をすする、カブト虫だ。
いや、正確に書けば、「ひからびた」カブト虫だ。

そんなことを5分以上もやっているので、
N氏は観察にも飽きて、一度目をはなし、体を洗っていた。

女湯からおばちゃんたちの会話が聞こえてくる。
「ママ、おっぱい大きいねえ」
「そんなことないわよん」
ママ、と呼ばれているほうは、スナックかなにかのママのようだ。
若ければいろいろ想像してしまうが、
60前後らしい声なので、ときめきようがない。

ところで、女性はどうか知らないが、
男湯では男同士の目線にある種の意識を感じることがある。
純粋に「若い体がうらやましい」という目線だ。
よく50代の男がそんな目つきで、年下の男を見る。

オレだって、まだまだ、などと自分を鼓舞しているのだが、
やはり自分より若い筋肉のツヤツヤした体を見ると、
ああ、オレってやっぱり……と現実を直視してしまい、
ちょっとうつむいて、おもむろに自分の腹の
ぽっちゃり脂肪などを恨めしげにつまんだりする。
あるいはやけくそに、横腹や太ももをパシッとたたいて、
マゾヒスティックな行動に走るのだ。

そんな鋭い観察眼をもつN氏もこのところ、
20代後半のツヤツヤした肌の男を見て、
とくにうらやましいとは思わないものの、
「コイツ、AV男優みたいにツルツルだな」
などと屈折した感想をいだいたりする。

そんな、くだらないことを考えていると、
ようやく、さっきのじいさんがヨタヨタともどってきた。

片手にひげ剃りを、もう片手には数回で使い捨てるような、
小さなせっけんを3つ、握っていた。
ゴミ箱からこれらを拾っていたのだ。

                     To be continued
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投稿者 Napori Takao : 10:00 | コメント (2)

コメント

あー何かスッキリした^^
その後は?????木になる木になるw

投稿者 うり坊 : 2007年02月22日 13:58

うり坊さんへ

コメントありがとうございます。
おじいさんは予想もつかないことをするので、
ネタにはこまりません。

投稿者 ナポリタカオ : 2007年02月23日 10:36