2006年08月05日

包丁を持った男と遭遇

玄関のドアを開けたら、客が包丁を持って立っていた
という経験は、読者のみなさんにあるだろうか。
これは、2000年前後の大事件である。
ある平日の昼間、N氏は部屋で1行数千万円と噂される
キャッチコピーを、うんうん言いながらひねり出していた。

突然、インターフォンが鳴った。
ふだんは覗き穴から外を見て開けるのだが、
このときは慌てていて、いきなり開けてしまったのだ。

そこには、50代後半の作業服を着たおじさんが立っていた。
驚くことに、彼は片手に5、6本ずつ、計10本ほどの包丁を
持ったまま立ち、こちらに薄笑いを浮かべているではないか。
まるで、映画「シザーハンズ」のように。

N氏の体は凍りついた。動かないのだ。
こいつにやられるのか。
本気で戦意を喪失した。
10本の包丁を持ち込んだ敵に勝てるわけがない。
ところが、である。
男は薄笑いを浮かべたまま、それ以上近づいてこないのだ。
それどころか、こちらの反応をうかがっているようだ。

対峙したまま、数分。
N氏はだんだん、パニックからさめてきた。
見ると、男の口元がボソボソと動いている。

「……なんですか?」
「包丁……包丁……」
「だから、なんなんですか?!」
「包丁……砥ぎ、ませんか?
「包丁砥ぎ?」
「……はい」
男が持っている包丁の中には、
ちょっと錆びた包丁も何本かあった。

「いりません!」
N氏はさっさとドアを閉めた。
うろたえた顔を見せてしまった恥ずかしさがあった。
それにしても、いくら商売とはいえ、
包丁を持って、他人の玄関に立ったら、
誤解されて返り討ちにあっても文句は言えないはずだ。

さらに驚くのは、そのおじさんに包丁砥ぎを頼んだ家庭が、
本数からして10軒、あるいは数軒あったことだ。
彼らはびっくりしなかったのだろうか。
それともびっくりして、思わず包丁を差し出してしまったのだろうか。
だとすれば、おじさんの作戦勝ちである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。クリックで応援いただけるとありがたいです。


投稿者 Napori Takao : 07:21 | コメント (5)

コメント

包丁砥ぎは専門の方にしていただくと
切れ味が抜群になりますが・・・。
おじさん怖すぎます~。やっぱり作戦でしょうか。

ドアを開けると包丁を持った男に刺された、
という「夢」なら以前見ました。
夢で良かった。ほんと。

投稿者 ゆるり : 2006年08月05日 20:37

こわ~~~!
私はこんなことになったら硬直状態。
解凍しないです、きっと!

大分前、日中に歩いていて、目を凝らしました。
前方から包丁を片手にぶら下げた男が歩いてくるではありませんか。
まだ距離があったので、思わず数メートル反対側の通りへと移行しました。
男は下を向いて歩いていたとみえ、追いかけられずにすみました。
帰宅後警察に通報。
他からも連絡があったようです。

もし気づかずにすれ違っていたら・・・
まさか包丁とぎではないでしょうし、
今頃ナポリさんにお会いしてないかも・・・。

投稿者 ひまわり : 2006年08月06日 21:52

ゆるりさん、ひまわりさんへ

コメントありがとうございます。
昨日はお休みしたので、お返事が遅くなってすみません。
夢で追いかけられるのはイヤですよね。延々と終わらないし。
夢だってわかってるときもあるのに、追いかけてきませんか?

しかし、ひまわりさんにそんなことがあったとは。
ともかく無事でよかったですね。
なにか見えない存在に守ってもらえたのかもしれませんね。

投稿者 ナポリタカオ : 2006年08月07日 09:59

玄関あけたら2分でご飯..じゃないけど

アノテのヒトってピンポ~ンって押したあと
なかからドアを開けるのを 待てないようです。
玄関に立ってたら見なかったことに出来ない事実^^:
玄関のカギはかけましょう。

*アノテのヒト..いたらSorry。

投稿者 ユエ : 2006年08月08日 14:49

ユエさん

コメントありがとうございます。
部屋の外の灯りが切れているときに、
ピンポ~ンもこわいですよね。
と書いていたら、
ピンポ~ン!
と、ほんとに今、来客が!
「エアコンのお引取りにうかがいました~」
「すみません、それ月曜日にキャンセルしてるはずなんですが……」


投稿者 ナポリタカオ : 2006年08月09日 10:16