2006年06月06日
ナルシスト集団の恐ろしい話題
1998年の冬のある日である。
静岡県御殿場市にある御胎内温泉において、悲劇は起こった。
N氏が男湯のサウナに入ったときである。
室内には誰もいなかったのだが、数分後、角刈りの屈強な男たちが、
どやどやと流れ込むように入ってきて、あっという間にすし詰め状態になった。
不穏な空気を感じたN氏だったが、彼らの顔つきはいたって柔和である。
しかも、平均年齢が20代前半と若いのだ。
いったい彼らは何者なのだろうと、不思議に感じていると、おもむろに彼らは語りだした。
「小隊長! 階段ダッシュすごかったですね。とてもかないませんよ、自分らは!」
「そうっす、そうっす!」
彼らは自衛隊員だったのだ。N氏は自分が駐車場に車を停めたとき、
ホロつきのトラックが1台止まっていたのを思い出した。
ちなみに名称の記憶が不鮮明なため、階級を『小隊長』としておくが、
定かではないことをおことわりしておこう。要するに彼は一般社会なら、
20代前半の若者たちをまとめる、25歳くらいの主任といった感じであった。
小隊長はにこやかに答えた。
「なに言ってるんだよ。オレなんか、
最近なまってるから、そのうちキミらに抜かれるよ」
「いやあ、そんなことないっすよ。小隊長の体力にはとてもかないません!」
小隊長は苦笑して言った。
「体なんか、ダメだよ。
ほら、腹筋が割れなくなっちゃって、まったく情けないもんだよ」
「そんなことないじゃないですか。ちゃんと割れてますよ」
「キミらのほうがいい体してるよ。オレも昔はもっとはっきり筋が出てたんだよね。
このなかでいちばん、腹筋がないよ、ハハハ」
彼らが自らの裸体をナルシシズムあふれる目線で、
うっとりと眺めているころ、ひとりの男がサウナの片隅で、
くまのプーさんのような腹を気にしながら、がっくりとうなだれていた。
そう、N氏である。彼は心の中で泣き叫んでいたのだ。
(はっきり言ってくれよ、小隊長!
このなかでいちばん腹筋がないのはこのオレだろ!
なぜみんな、オレから目をそらす?
なぜオレがここにいないような設定で会話する?
そんな気を遣う素振りはやめてくれ!)
ロダンの彫刻のように精悍な男たちに取りかこまれ、
出るに出られなくなったN氏は、
サウナで自らの羞恥心と脂肪を、ひたすら燃やしつくすのであった。
The End
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投稿者 Napori Takao : 10:55 | コメント (5) | トラックバック (0)
コメント
恐怖夜話経由でお邪魔しました。
楽しく読んでいます。
これは自慢ではありませんが、僕も… くまのプーさんほどの立派なものではありませんが …腹割れを起こしたことがありません。もちろん肉体は美しいに越したことはないのでしょうが、それにどれほどの時間と労力をかけねばならないかを考えると、「まあ、こんなもんでいいか」と思っています。
またお邪魔します… ところで、ドトールって 21:00 までですよね?
投稿者 ハスヨス : 2006年06月06日 13:13
ハスヨスさん、コメントありがとうございます。
170センチ、72キロなので、すごい肥満ではありませんが、
だいたい想像してください(-ω-:)
ドトールの閉店時間は店によってちがうような気がしますね。
もしかしたら入ってるビルによって、
閉店時間が決まってたりするんじゃないんですかね。
でも22:00くらいまではやってると思いますよ。
ボクは21:30くらいまでいたことありますから。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿者 Napori Takao : 2006年06月06日 14:11
そうですか…
サウナには そのような危険性をはらんでいるのですね!
ん~気になるところは視覚的にモザイク化するのはどうだろう…(爆
深夜の通販に期待!
投稿者 yue : 2006年06月06日 18:45
ううむ… 流石!
大笑いしてしまいました。
因みにわたしの腹は割れています。(?)
あ、見間違いでした… 肋骨でした。
投稿者 ユイー : 2006年06月06日 22:34
yueさん、ゆいーさん、
コメントありがとうございます。
最近は顔もでかくなっています。
投稿者 Napori Takao : 2006年06月07日 09:18