2006年05月30日

スローモーションの恐怖

4月19日のブログ開設から約1カ月。
この間に、蒲田温泉の記事へのページビューは90に達している。
ところで、この東京大田区・蒲田温泉、
日中は50代以降が多いのだが、80代もやってくる。
彼らの動作は非常に緩慢だ。
洗い場の隅と浴槽のあいだは唯一、幅がせまくなっており、
1メートルほどである。ふつうの成人男性・女性は2人で鉢合わせしたら、
おたがいに体をちょっとななめにすればラクに通り抜けられるが、
老人の場合、そうはいかない。
反対方向からやってきた彼らがこの場所で対面すると、こんな感じになる。

おたがいの姿が目に入り、老人A・老人B 「!」
どうするんだ? と視線を泳がせ、2秒。
目くばせしあうあいだに、また2秒。
どちらかが行動開始の意思を見せ、動き出すまでに、2秒。
行動そのものに、10秒。

運悪く、彼らのあとにならんでしまったときには、
あたたかい気持ちで、これらを見守るのが正しいマナーだ。

浴槽に入るまではもっと時間がかかる。
右(左)足をあげるのに、3秒。
浴槽にその足を入れるのに、3秒。
さらに反対の足をあげるのに、体勢が不安なために4秒。
その足を入れるのに、4秒。
さらに全身をゆっくりとお湯に鎮めるのに、6秒。
しかし、入っている時間はとほうもなく長い。

温泉は黒いので、骨ばったシワシワの体から
なにやらダシが出ているようであり、歳月が刻まれた皺だらけの顔は、
茹でられてゆくカメを思わせるのである。
蒲田温泉を愛好するご老人の長寿を祈りたい。

  The End
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投稿者 Napori Takao : 11:05 | コメント (0) | トラックバック (0)

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